授乳クッションは、どの出産準備品リストにも必ずといっていいほど登場する定番中の定番育児アイテムである。
妻に聞いても、授乳クッションは必須の育児アイテムと断言できるそうで、わが家では娘が生まれたその日から現在に至るまで、ほぼ毎日お世話になっている。
それではこのクッション、ないと何が困るのだろうか?
妻によると、クッションなしでは赤ちゃんにお乳をあげる体制を維持するのが体力的に困難であるという。
赤ちゃんを横向きにして授乳する場合、口に乳首を持っていくためには、赤ちゃんを腕で乳首の高さまで抱え上げるか、背筋を曲げて猫背のようにして乳首を口まで持っていかねばならない。
このクッションがあれば、赤ちゃんを授乳に最適な位置に保つことができるため、無理のない姿勢でお乳をやることができるというのだ。
なるほどと納得すると同時に、私は疑問に思った。
では、縦向きに抱いて授乳をするならば、クッションは必要ないのではないか?
妻によると、それはYESでもありNOでもあるという。
縦向きであれば確かにクッションなしでも無理なく授乳はできるが、ひとつの抱き方だけで授乳を続けると吸われない乳腺が発生し、やがてはその乳腺が詰まって乳腺炎という症状になることもあるというのだ。
乳首のどの乳腺からお乳が出るかは、赤ちゃんが乳首を吸う向きによって異なるため、わが妻は授乳のたびに赤ちゃんの向きを変えて、乳腺の詰まりを防いでいたという。その際に、授乳クッションは非常に重宝するアイテムだというのだ。
この話を聞けば、授乳クッションを必須アイテムと妻が断言する理由にも納得だろう。男の私には皆目想像もできない苦労である。